月別アーカイブ: 2015年4月

化学療法(抗がん剤治療)

初めてのddTC療法(1クール1週目)@病棟

2014年10月15日、入院2日目。いよいよ初めての化学療法投薬日。
同室患者さんのいびきという大部屋の洗礼を受け、一睡も出来ない夜を過ごした。コンディションは最悪。既に気持ち悪い。
そういえば病院の売店に沢山いろんな耳栓売ってたなぁ…とやっとその意味を理解した。

午前中隣のベッドに新しい患者さんが入院して来た。
ナースさんに、「私今まで色んなとこに入院してるんですけど、いっつもいびきがうるさいって言われてるんですよ。個室に移った方がいいかしら?」と相談しているのが聞こえた。
マジで? (((((( ;゚Д゚))))) また?!
しかしだいぶ悩んだ末自発的に個室に行ってくれて助かった。カーテン越しに無言の負のオーラが伝わったんだろうか。

担当のK医師が顔を出したので、くれぐれも吐き気対策をよろしく、手術入院時に使った吐き気どめはことごとく効かなかったからそれ以外で頼む、と最後の駄目押しをしておいた。大事なことは何度でもしつこく念押ししとこう。

9:00 アレルギー予防の薬レスタミンコーワ服用。
投薬開始後からこの日いっぱい、トイレに行った時は毎回尿量を測って記録するよう指示される。
カルボプラチンには腎毒性があるので、腎機能への影響を調べるのが目的のようだ。

10:30 いよいよ開始。アレルギー予防薬ザンタック(ラニチジン) + 吐き気止めデキサート(デキサメタゾン) + 生理食塩水を30分かけて点滴。

11:00 心電図モニター装着。
ナースさんがどやどやとやって来て、防護服のような装備を身に付け始めた。手袋、ゴーグル、マスク、頭には不織布キャップ、前面にエプロン。完全に危険物取り扱い態勢やん。これ程の毒物を血管から入れて全身に行き渡らせたら一体どうなってしまうのか。不安感が強まる。

そしてまずはパクリタキセル+ブドウ糖 点滴開始。さっきの生理食塩水と変わらない、無色透明な液体だった。喉の奥にツンとアルコール臭が上がってくる。
頻繁に血圧、血中酸素濃度を測られる。特に痛みも体の異変もなく順調に入っていった。
12:00 点滴したまま昼食。まさかの完食。段々眠くなる。

目を開けていられなくなり、ぐうぐう眠っている間によく分からないけどカルボプラチン開始。
14:00頃終了。何事もなく終わったらしい。
私はお酒に弱く、飲むと頭痛や目眩がするのだが、まさにそんな感じの頭痛と目眩がした。
ふにゃふにゃ寝て過ごした。

夕方には眠気も取れ、売店に行ってジャイアントコーンを買って食べるくらいには元気だった。吐き気もなし。
ずっとこんなだったら楽勝なんだけど。

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化学療法(抗がん剤治療)

入院: 大部屋の夜

2014年10月14日 初回TC療法前日入院続き。
そんなこんなで忙しく過ごし、初めての化学療法準備の1日が終わった。

22:00消灯になりますよーと言われたが、はいはいと聞き流していたらいきなり真っ暗になった。大部屋の消灯は本当に真っ暗になる。
前回個室の時は、消灯とは名ばかりで、結構明るいデスクランプを点けていくらでも夜更かししていられたから油断していた。
慌ててデスクランプを探したがそんなものはない。仕方なくスマホの懐中電灯機能を使ってベッドの上に散乱したパンフやら充電器やらを片付け、おとなしく寝た。

しかし大部屋の恐ろしさはここからだった。
向かいのベッドの控えめに言って「ぽっちゃり」な女性が、ブブゼラのような大音量のいびきをぶっこいて、寝るどころか同じ部屋にいるのも辛い。しばらく我慢してみるがどんどん音量が上がっていく。

文句を言いに行こうか、いやせめてどうやったらこんな凄い音が出せるのか見に行こうかと何度か起き上がってはみたものの、日中ナースさんとの会話ではどうやら彼女は明日が手術のようだった。
そんな大事な時に、見知らぬ猫背でよちよち歩く変な女に叩き起こされて、お前のイビキがうるさくて寝れねえとか怒られたらトラウマになるかもしれない。手術に影響があっては大変だ。

正直私も明日初めての抗がん剤治療を控えて、しっかり寝て体調を整えたいところだが、同じ痛みを知るものとして、ここは仕方ない、我慢することにした。
たまにいびきが途絶えたりすると、睡眠時無呼吸症候群なんじゃないかとか逆に気になってますます眠れない。

眠剤をがっつり飲んだけど、結局一睡も出来なかった。

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化学療法(抗がん剤治療)

入院: 化学療法準備その3 吐き気の恐怖と緩和ケア

2014年10月14日 初回TC療法前日入院続き。

先月の卵巣癌手術で2日間苦しんだ吐き気の記憶が冷めやらぬ私にとって、抗がん剤治療で1番怖いのはやはり吐き気の副作用だ。

患者としての私が感じる副作用の恐怖は、
嘔吐>痺れ>脱毛>骨髄抑制
だが、医師から見た脅威度は、
骨髄抑制>>>>>>>>痺れ>その他
のように思われた。
その辺りの意識の差をしっかり埋めておく必要があると思った。

がん治療の虚実という腫瘍内科医の先生が書かれているブログの、悪心嘔吐対策というカテゴリがとても勉強になった。

抗がん剤は強烈な制吐剤を事前に点滴するので、当日吐くことはあまりないそうだ。問題は翌日以降に遅れて来る吐き気。
普通は次回の受診時にどれだけ副作用が出たか聞き取ってから薬を調整していくという。しかし吐き気は、一度でも吐いてしまうとその体験がすり込まれ、条件反射として吐くようになってしまうそうだ。極端な話、吐いてからでは遅いのだ。
このくだりは手術後の吐き気の恐怖を未だに引きずっている私にとって非常に実感を伴う話だった。何とか一度も吐かずに乗り切りたい。

午後執刀してくれたK医師が登場。この病院は主治医制を取っていないのだが、引き続き診てくれるようだ。
早速抗がん剤への強い不安を伝え、念のため抗不安薬を出して欲しいと頼むが反応が薄い。
繰り返し嘔吐への恐怖を訴え、薬をためらわずに使って抑えたいと希望した。

でも薬は1種類ずつの方がいいですよ、と言われた。ちょっとがっかりしたが、あまり最初から沢山使うと耐性がつくから、とちゃんと理由を説明してくれたのでまぁ納得。
譲歩して、入院中はそれでいいから退院時に色々持たせて欲しいとねじ込んだ。

更に、緩和ケアのスタッフと話がしたいと希望した。緩和ケアはどのステージ、どの治療段階でも利用出来ると聞いていたので、早速利用してみることにした。
こちらの不安や心配を多くのスタッフに共有してもらいたかったのと、それらの問題に真剣であることを示すため。

夕方緩和ケアの看護師さんが来てくれ、20分ほど話をすることが出来た。
副作用についての不安、特に嘔吐への恐怖、卵巣欠落症状の辛さなどを丁寧に聞いてくれた。こちらの気持ちが医師に伝わっているか心配していることをくみ取り、改めて緩和ケアからも医師と話し合いをしてくれるという。
何より時間を取ってきちんと目を見て話を聞いてくれ、言葉を選んで返してくれる姿にやっと落ち着いた。

ドクター、看護師さん、薬剤師さん、化学療法室の看護師さん、緩和ケア担当スタッフさんとフル活用するとかなり手厚い態勢だ。

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