月別アーカイブ: 2015年8月

化学療法(抗がん剤治療)

ddTC療法6クール1週目: 腫瘍マーカー

2015年2月124日。ddTC療法最終6クール1週目(day 1)、パクリタキセル+カルボプラチン2剤の日。

好中球数1621にて決行。血小板のLも取れていてひと安心。
腫瘍マーカーも安定していた。
CEA     0.9 (~5.0ng/ml)  術前は1.2
CA19-9  3.1 (0~37.0U/ml)  術前は24.5
CA125   6.4 (~35.0U/ml)  術前は34.6   ( )内が基準値

化学療法室は珍しく空いていた。
スキップでドタキャンになる人が多かったそうだ。
ここに来る人全員ががんに罹っていて、皆それぞれ頑張っているんだなぁとあらためて思うと、何だか震えがくるような感覚に襲われる。

いつも一発で点滴を決めてくれるお気に入りの女医さんが来たので、今日から最終クールになることを伝えると、こちらが期待していた以上の超笑顔で応じてくれた。
そして、今日も一発で決めてくれた。
久々の2剤なのであっという間に眠ってしまった。

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化学療法(抗がん剤治療)

ddTC療法6クール1週目: 数値が戻らない

2015年2月17日。ddTC療法最終6クール1週目(day 1)、パクリタキセル+カルボプラチン2剤の日。

いよいよ最終クールに突入だ。何となく、6クール辺りが体力的にも諸々周囲の環境的にもちょうど潮時だという気がしていた。これ以上やると、副作用も血管も支える周囲の人も、多分相当しんどいことになる。

意気込んで診察に臨んだが、血液検査の結果、好中球数510 L
前回は485 Lだった。先週スキップして2週間空いたのにたった25、ほんの誤差程度しか増えていなかったのだ。

2剤の日なので好中球は1000以上必要だ。510では程遠いので打てない。
2剤は打ちたいのでスキップではなく、延期になった。
最終クールで本当に良かった。既にもうスケジュール通りになど打てていないが、もう1クールあったら多分打ち切りにあっていただろう。

診察室を出ると、待合室は混み合っていた。端の壁に寄りかかってスマホをいじっていると、向こうから女性が歩いてきて、「どうぞ、よかったら座ってください」と声をかけてきた。
予想外の出来事で一瞬ぽかんとなった後、ようやく理解した。
私は席を譲られたのか。

118644gkai photo by silhouette AC

ここは産婦人科。待合室にいるのは病人か身重の人ばかりだ。そんな中で優先して席を譲られる程に、私は具合が悪そうに見えたのか。結構ショックだった。
この日は特に体調が悪いわけではなく、軽快に動いていたつもりだったけど、テカテカの不自然な髪の毛と目深にかぶった大きな帽子、顔の半分をマスクで覆った奴がしょんぼりうなだれながら出てきたら、どう見たって癌患者だよね。

ここにいる以上、席を譲ってくれたあなただってどこか悪いか、あるいは妊婦さんでしょうに。私なんかいいから未来ある赤ちゃんのために・・・ と思いつつ、感謝して座らせてもらった。

これまで私は席を譲る人、譲られる人、どちらでもなかった。そういったクラスタからは縁遠いところにいた。つもりだった。
前を歩く人がのろのろしていたら、悪態こそつかないが心の中で舌打ちしながらとっとと追い抜いて行くタイプの人間だった。

今私はまぎれもなく「守られる側」で、それがどんな気分なのかやっと分かった。
心に沁みる人の優しさ、助けを必要とするふがいない、ままならない自分への苛立ちや情けなさ。

いつか元気にシャキシャキ歩ける日が来たら、もう前をゆっくり歩く人をはよ行かんかいと思ったりはしないだろう。人には皆それぞれ事情がある。そんな当たり前のことが、やっと体にすとんと入ってきた。
私は弱くなったんじゃない、弱さを知ったのだと思う。

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その他

乳腺外来: 消えた? 固まり

2015年2月12日。この日は乳腺エコー検査を受けた。

2014年8月に卵巣癌と分かった後、転移がないか調べるためCT検査を行った。その際転移を疑うものは出なかったが、片側乳腺に結晶化したような塊が映っていたのだ。
これは良性のものと見られるが、念のため半年後再検査をすることになった。で、この日がその6ヶ月後だったわけだ。

検査は思いのほか時間がかかった。先生が何度もプローブ(探触子)を往復させ画面を食い入るように見つめているので、こちらも色々よからぬ事態を思い浮かべてしまう。

緊張が伝わったのか、先生は一度手を止めて説明してくれた。
エコーは白い部分と黒い部分で見えるのだが、ホルモンの影響で見え方が変わる
前回の検査の後、女性ホルモンの源卵巣を全摘出し、ホルモンパッチで人為的に補充したことで、ホルモン環境が自然体とはかけ離れた状態になってしまった。

その影響で、白黒の配置や割合が激変してしまい、前回のデータとの比較が難しい。
しかも黒く見える部分が多くて見辛い。前回見つけた結晶化部分の場所は分かっているのだが、その辺りは真っ黒で、今日はそこに何も見えない、とのことだった。見えないのか消えたのか、判別がつかないそうだ。

エコー推移

家に帰って超音波検査の結果について考えた。見えないならいい。消えたんだとすると、それはどういうことなのか。
投薬治療と関係があるのだろうか。抗がん剤で消えたんだとすると、抗がん剤が効くようなものだったということか。
TC療法は乳がんの標準治療でもある。医者でも良性と見紛うほど初期の乳がんだったのか? 診察の日まで悶々として過ごした。


 

1週間後診察で結果が出た。エコーの結果は異常なし
ドクターの意見は「確かに、あった筈のものが見えなくなっている。良性の乳腺症かと思われていたが、そもそも何もなかったのかも知れない」
とにかくこれがこの後急に悪くなることはないので、念のため半年後にマンモグラフィと超音波でもう一度検査して、そこで何ともなければもう胸部については卒業と考えていい、とあっさり言われた。

TC療法で消えたんなら悪性だったんじゃないか心配だ、と伝えると、そうであれば願ったりじゃないですか、と言われた。何となく釈然としないものの、そんなものかなと思った。
何ともないならそれに越したことはない。

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