日別アーカイブ: 2015年8月11日

その他

TVの癌ネタ

自分が癌に罹ってみると、TVなんかでやたらがんの話題が目に付くようになる。
○○をするとがんになりやすいだの、△△はがんを予防するだの、芸能人の誰それががん告白だの。
病気になる前は関心を持ちつつも適当に流していたものだが、当事者になってしまうといちいちピクッと体が反応してしまう。
そして、その殆どが役に立たない情報であることに驚く。

がんになりやすいだのがんに効くだのが全て一緒くたの漠然とした「がん」情報であり、何癌の話なのか分からない。
がんの治療に光明!的な情報は希望を持たせてくれるが、結局の所実現はずっとずっと先の話で、今現在がんと闘っている人間に直接役立つことはない。

現在進行形のがん患者向けの番組というのは難しいのかも知れない。

年明け頃だったか、再現ドラマなんかでやたらと急性骨髄性白血病の少女という設定が続いた。決まって少女、行っても高校生までだ。
普通の癌やおっさんや子なしのおばはんではコンテンツにならないらしい。
髪が抜けてショックを受けたり、咳き込んで吐血したりというシーンは20年くらい前と全く同じでどうしても外せないシーンのようだ。大げさな作りでスタジオのゲストは競い合ってガン泣きで、何だか猛烈に白けてしまった。

一体誰に向けた何のためのドラマだったのだろう。
癌ってこんなに悲惨なものなんですよ、と癌未体験者の肝を程よく冷やすための「コワーイ話」なのか、別に癌でなくても良かったんだけどとにかく薄幸の少女を見せたかったのか。あえて癌体験者からの「ねーよ」というツッコミ待ちなのか。
実際にモデルとなった少女は、あれで良かったのだろうか。彼女が味わったであろう苦悩や悲しみや決意や希望は、あの中にきちんと表現されていたのだろうか。

まぁ、私は私のがんしか知らないから、全部大きなお世話なんだけど。

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