タグ: 開腹手術

その他

開腹手術縫合跡保護テープ

卵巣癌の開腹手術では、ヘソの上からヘソをぐるりと迂回してまっすぐ20cm程斬り下ろした。傷の痛みは殆ど気にならないが、傷跡は赤く太い線となって生々しく残っている。

人間の皮は二層構造で、下に真皮、上に表皮がある。最近では下の真皮部分だけを縫い合わせ、上の表皮はそっと合わせてテープで止めるだけの埋没縫合が多いらしい。
こうすると傷跡がきれいなのだとか。

術後の傷跡保護テープは、そのまま自然に剥がれるまで貼り続けておくよう言われた。
自然に剥がれた後でも別途医療用テープを調達して貼り続けておくと、傷の治りが早いと退院前に教えてもらった。調べてみると、テープは何種類か市販されていた。
マイクロポア
ステリストリップ

0001176687-18077058_LL1

基本ただのテープで、何か薬効成分が含まれているわけではないらしい。
貼り方、貼る目的などこちらのサイトがわかりやすかった。

ケロイド状になったり、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と言って過剰に赤く肉が盛り上がってきてしまったら、ドレニゾンテープというステロイド入テープを使うようだ。こちらは市販されていない。

早速ステリストリップを注文してみた。こちらを選んだのは病院で使われていたものに似ていたからと、マイクロポアは若干ベタつくというレビューを目にしたから。
白色と肌色が選べた。
面倒臭いので半年分くらいまとめ買いをしてしまったが、かぶれたら中止した方がいいので、皮膚の敏感な方は少量からお試しを。

にほんブログ村 病気ブログ 卵巣がんへ
まとめ 入院(手術)生活

入院と手術のまとめ

手術日前日に入院し、入院期間は10日間だった。

手術は全身麻酔。ヘソをよけて20cm程縦に開腹。
術中迅速病理診断の結果、悪性と診断される。
両側卵管卵巣摘出術、腹式子宮単純全摘術、大網切除術施行。
つまり、病巣の左卵巣に加えて反対側の右卵巣と、子宮と大網を取った。
リンパ節は取らず。

腸と子宮に癒着があり、病巣が術中破綻した。腹水も50cc程あった。
病巣に溜まっていた漿液は2.2kgあった。
癒着を剥がすのに時間がかかり手術時間は7時間に及んだ。
出血は400ccと想定内に収まったため輸血はせず。

術後の経過そのものは順調だったが、
・硬膜外麻酔の影響で吐き気に苦しむ
・出血の影響で低血圧と貧血
・全身麻酔の喉への挿管の影響でに苦しむ
と傷とは直接関係ないところで難儀した。

術後2日目から食事、3日目からシャワー。
予定通り10日で退院。

にほんブログ村 病気ブログ 卵巣がんへ
入院まで

CT結果と入院説明

日を改めてCTを撮った。現時点で体の他の部分に転移がないか調べるためだ。
ヨード系の造影剤を点滴してからの撮影。最初に生理食塩水の点滴をして、撮影直前に横からヨード剤を注入する。
実はこれが生まれて始めての点滴。ぶっとい針を刺した跡は何故かその後3週間も痛かった。
ヨードは入れた瞬間に体を駆け巡って熱くなり、喉元にヨードチンキの臭いがツンと上がってきた。
お会計は¥8,030。

午後には結果が出た。片胸の乳腺に石灰化らしき部分と、肺の一部に白い炎症が見られたがどちらも転移とは無関係とのこと。
また、リンパ節に腫れも見られず、転移はないという見立て。患部は左卵巣のみと思われる。

実は卵巣がんの場合、厳密には術前に正確な告知をしない。病巣を取って病理診断して見ないと良性か悪性かも分からないのだ。
卵巣は体の奥にある臓器なので、ちゅっと針を刺して組織サンプルを採取するということが出来ない。もし悪性だったら、刺した瞬間体内にがん細胞をばら撒くことになってしまうからだ。
ただ先生方は悪性っぽい顔つき、などと経験的に見立てをするし、当然ながら悪い方を想定して動く。

実際の手術はまず開腹して速やかに病巣を取り、術中迅速病理診断というものにかけるそうだ。
術中病理診断とは、お腹をぱかーんと開けたまま取ったものをダッシュで病理部に持って行き、速攻で標本を作ってその場で悪性か否かなどをインスタント病理診断し、その結果を踏まえて続きの手術をするという方法。何分急ぎの仕事なので1割ちょっとくらい間違えることもあるらしいが、一度の開腹で診断と手術を同時に出来るメリットは大きい。

良性だった場合 → 悪い方の卵巣と卵管を取る
境界悪性 → 悪い方の卵巣・卵管に加え、もう片方の卵巣・子宮・大網を取る
悪性 → 上に加え、骨盤リンパ節も取る。リンパ節にまで行っているようであれば化学療法へ
以上が標準治療。
ただ今回の場合、悪性でもリンパ節に腫れがないので取らないとのこと。むくみなど不具合が出るケースが多いので、何かあれば化学療法で対処するそうだ。
ちなみに境界悪性とは、悪性って程タチは悪くないけど良くもないよねという状態らしい。大きくなってくけど浸潤はしない、とか。

所要時間は良性なら20分+迅速病理診断1時間。悪性ならそこから色々取るので4時間〜、癒着が酷ければ更に時間がかかる。
「病理診断を待ってる間、お腹開けっ放して放置で大丈夫なんですか」と聞いてみたら、放置ではありません、肉眼で更なる病巣や異変がないか調べたりします、とのこと。お茶して休んでるわけではないらしい。

にほんブログ村 病気ブログ 卵巣がんへ