タグ: 抗がん剤副作用

経過観察

前とは違う身体

化学療法(ddTC療法)が終了して2週間後に、フォローアップ目的での診察を受けた。
血液検査と問診、今後の予定についての話し合い。

血液検査では白血球など数値の回復具合をチェック。
まだ血小板の値は低かったが、数値は順調に回復してきており、もう通常の生活をしてかまわないそうだ。

自分が気になる点として、
1. 手足の痺れ。
2. 腹部にいまだ違和感が残り、くしゃみをすると少し痛むこと
を伝えた。

先生によると、手足が痺れる末梢神経障害はうんと早ければ1ヶ月くらい、長ければ年単位かかる。あるいはずっと残るケースも珍しくはない。

腹部違和感については、恐らく手術部位で癒着が起こっているのではないかという。術後半年頃がちょうど出やすいそうだ。
長い目で見ていくと少しずつ剥がれて戻っていくので、気長に慣れていくしかない、と。
私「長い目ってどれくらいですか?」
先生「・・・・・10年とか、それくらいの感覚で」と言いにくそうに。

4584799455_1846eac222_z photo by Tinkerbots “BAB-O-BOT”

覚悟していたとはいえ、もう元の体とは違うのだと痛感した。
痺れて強ばった手足、動かすときしむ痛む四肢の関節、体を捻ったり腹筋を使うたびに他人の物のような違和感と鈍痛を発する腹。

全体的にしなやかさが失われ、ぎこちないブリキのつぎはぎロボットになったような気分だ。
動作をいちいち意識する必要なく、思い通りに体を動かせるって、何とありがたく素敵なことだったんだろう。

不自由な体を意識するたびに、病気の思い出一式が脳裏を駆け巡り、病気から気分的になかなか解放されない。
でも、これからはこの体と付き合っていかなければならない。

徐々に元の体に戻っていくと信じて、気長にいこう。

今後は3ヶ月に一度、内診エコー+細胞診マーカー検査。
半年おきにCTを丸4年程やることになる。

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まとめ 化学療法(抗がん剤治療)

ddTC療法副作用 まとめ

そんなわけで2014年10月~2015年3月まで約半年間、ウイークリーで6クールTC療法を行った。
年末年始でスケジュールがずれたのを1回延期とカウントすると、合計3回延期しながらの投与だった。
パクリタキセル単剤を2回スキップしたので、予定総投与回数18回より2回分少ない。

副作用は脱毛、むかつき、骨髄抑制、末梢神経障害など出やすいものは全て出た。
一方薬剤アレルギー、肝機能障害、腎機能障害、爪の変色変形は全く現れなかった。
喉元過ぎてしまったせいもあるけれど、実感としては
当初の予想よりは軽かった
「これくらいで済むならやっておいて良かった」
こんな感想を持てたのは、もっとも恐れていた嘔吐がなかったおかげだと思っている。

以下は私個人の体験した主な副作用の種類と発現タイミングをあらわしたもの。下に向かって時系列になっている。
副作用まとめ

色が濃いほど症状の重さを表す。○は化学療法実施、-は延期、×はスキップを指す。
副作用の出方や程度は千差万別で、一個人のデータにそれ程意味はない。
ただ、怖いイメージが先行する化学療法について、「これくらいで済む人もいるんだな」と参考程度にとらえてもらえればと思う。


 

ついでに製薬会社のサイトでは副作用の発現率について記載されていたので以下に抜粋する。
せっかくなのでウイークリーddTC療法とマンスリーTC療法を比較してみる。

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ddTC療法はやはりダントツで好中球減少と貧血が高い。つまり骨髄抑制の副作用が強く出るということだ。
一方で、マンスリーTC療法ではパーセンテージは低いものの、ウィークリーには項目がなかった過敏症/アレルギーが見られるようだ。
出典サイトのリンクを貼るべきなのだが、本来医療従事者向けページのようなので、興味のある方は沢井製薬のサイトを探してください。

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化学療法(抗がん剤治療)

凶ニモマケズ

2015年1月上旬。
松は明けてしまったが、信心深い男ニコちゃんこと夫がひとりで初詣に出かけた。
おみくじは2回とも凶だったらしい。1回目は凶の字を見た瞬間よく読みもしないで結んでしまったという。読まない筈がないから、きっと言いたくないような内容だったのだろう。
2回目も凶だったものの、「病は軽い、今が一番大変な時」と書かれていたので納得したそうだ。

弱ってる時に限って凶が出たりするものだ。しかも凶って何故か続けて出るものだ。不思議なことに。

副作用の末梢神経障害は静かに進行中。指の痺れからほぼ手全体の痺れへ。
犬の散歩のリードを持つのが不安なレベル。犬が急に引っ張ったりしたら、制御出来る自信がない。
指の強ばりで繊細な動きが出来ず、ペンを持って文字を書くのに苦労する。スマホは使えるがPCのキーボードが打てない。
全く仕事にならない。

脱毛は、気がついたら眉毛とまつげが半減していた。眉毛は描けばいいけどまつげは・・・。
思い立ってつけまつげを買ってみた。普段はマスカラかエクステ派なのでつけまつげは初めてだ。30分くらい悪戦苦闘したが、うまく付けられず断念。しかも貴重な自まつげが何本か抜けてしまった。全部抜けてから再チャレンジしよう。
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外食ランチではむかつきが続いて食欲なく、半分くらい残してしまった。
日中は食欲低下していたが、夕食はお腹いっぱいいただいたし、風呂上がりにみかんを3個も食べた。
トータルで体重は安定している。

倦怠感も食欲不振も、投薬日3、4日目がしんどいだけで、他の日は比較的普通に過ごすことが出来る。
体が馴れてきたのか、薬の抜けが早くなってきたようだ。
モシャモシャみかんを頬張る私を見て、ニコちゃんが強くなったねと言ってくれた。
「思うんだけど、きっともう健康体で、薬もやることがなくて早めに出て行っちゃうんじゃないかな」と。
私もそんな気がする。今辛いのは癌のせいじゃなくて薬の影響だし、それにも慣れつつある。
痺れだけは蓄積して行くけど、他の症状はだいぶ気にならなくなってきた。

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