2014年9月8日入院初日(手術前日)続き。
15:00 入院のバタバタが一段落したところで、執刀医から術前説明に呼ばれた。ニコちゃんこと夫が同伴。
初めて横からのアングルでMRI画像を見せてもらった。それはショッキングな画像だった。
腹の大部分を真っ白な風船状に膨れ上がった卵巣が占め、他の内臓を圧迫している。中身は漿液だと言う。下の方にモヤモヤと色水が混ざったような煙様の影が見て取れた。これが結節像といい、悪性を疑われている部分だ。
このようにブツがでかいため、縦割りで15cm、臍下指二本分位下から恥骨のあたりまで開腹すると言われた。
開腹手術で内臓が癒着したり腸閉塞(イレウス)になると聞いたんですが、と不安を伝えると、確かに術後1〜数カ月は要注意だが、確率で数%くらい。癒着防止シートももちろん使うそうだ。
子宮は全部取るが単純式で、広汎式で時に起こるような、周りの神経を損傷して排尿困難などが残る確率は低いという。周りの靭帯などまでは切らないからだそうだ。
他に聞くこともなくなり、ニコちゃんはここで帰って行った。
引き続き診察室にて内診。術前の最終確認らしく、執刀医2人が超音波で現在の位置と大きさを確認した。
ヘソの横の辺りまで来ている、うん来てますね、と話し声が聞こえた後、片手を膣から入れもう片手で上から腹を抑えて、内外で患部を挟み込むという牛相手かよ!と思う程荒っぽい方法で最終的な位置関係を把握。
そして「臍上まで切り上げることになりそうかも」と言われた。ヘソをグルリと避けて「?」の形に切るらしい。もうどうにでもなれだ。
膨張した卵巣が腸を避けスペースを求めて上の方までせり上がってきているという。よく破裂しなかったものだ。
病室に戻ると夕食。明日から2日程絶食になるらしいと聞き、目一杯詰め込んだ。
シャワーを浴び20:00過ぎにニコちゃんに連絡を取ると、バタバタしていてまだ夕飯も食べていないという。私はこの後ひっくり返って寝るだけだが、彼は明日朝イチで病院に駆けつけ、何時に終わるかもわからない手術の立会いだ。本当に病気は患者本人より周りが大変だと思う。患者本人は病気とだけ闘うが、周りは本人が闘病に専念できるよう細々と環境を整えていかなければならない。
21:00 下剤を飲んで術前の水分摂取終了。これより絶飲絶食となる。
だらだら起きていたが23:00諦めて就寝。夜中何度か目が覚めたが、修学旅行みたいに看護婦さんが見回りに来るので、つい反射的に寝たふりをしてしまう。