タグ: がん 入院

入院(手術)生活

手術当日の様子

2014年9月9日手術当日。
入院も初めてなら手術も初めてだ。

6:30 朝っぱらから検温と血圧測定。薬を飲んだかチェック。
7:00 噂の浣腸。ベッドに横向きになって入れてもらう。市販のイチジク浣腸みたいに可愛らしいシロモノではなく、でかい注射器のようなシリンジで不安になる程長々と注入。たちまちお腹が冷たくなる。
「難しいとは思うけど3分くらい我慢してトイレに行ってくださいね」とナースさんは言い残して去って行った。
別に闘うところではないんだけど、闘争心に火がついて4分少々我慢。勝ち誇りつつダッシュでトイレへ。昨日2回も下剤を飲まされて都度結果を出して来たので、あまり成果はなかった。

ふくらはぎまでの弾性ソックスを履き、上はノーブラ下は自前のショーツで、手術着に着替えたら後はもうやることがない。
事前に用意するよう言われていた腹帯とT字帯(前日に院内の売店で購入)を出しておく。
まもなくそれじゃ行きましょうか、とナースさんが迎えに来てくれた。
手術の時は元気でも車椅子やストレッチャーに乗せられて行くと思っていたが、普通に徒歩で移動だった。

手術ルームに入ると中はホールのように広くなっており、そこから放射線状に各手術室に繋がっていた。そのうちの一部屋に導かれる。
「じゃあ、後でね」万感の思いをこめて愛しいニコちゃんこと夫の手を握って別れ、手術室に入ったら中の皆さんが変な顔をして見る。
「ごめんなさい、あっちの部屋だったわ」とナースさんがてへぺろしながら手招き。部屋を間違えたらしい。ズコーっとなって緊張が一気にほどけた。
秒速で手術室から出てきたため、混乱した表情のニコちゃんの前をきまり悪く「あっちだった」と言いつつ通り過ぎ、何とも締まりのないお別れに。

手術室の中は壁も天井も薄緑色。ナースさんに文字通り手を引かれて中央の手術台へ。
安心感のある手慣れた素早さでオキシメーターや心電図、点滴に繋がれる。
「おー、やっぱ不整脈出てますね」と何やら嬉しそうに言われた。

横向きになって背中を丸めるポーズを取り、まず痛み止めの注射。結局手術中一番痛かったのはこれだった。と言っても大したことはない。
その後背中の内部ににゅるっと冷たい何かが入り込んだ。結構時間をかけて何やら後硬膜外麻酔のための処置をしていた。うんと細い針を背中の硬膜外のスペースに差し込み、そこから連続的に麻酔が流れ込む仕組みらしい。麻酔を入れ続けられるので、手術が長引いても途中で覚めてしまう事がない。
足が痺れ出したら何か間違っているサインなので、途中何度も手足に変な感じはしないか、痺れはないかと確認された。
終わったら仰向けになる。おいおい背中に針刺さってるのに仰向けになったら針が中に入っちゃうじゃんと心配になったが、特に違和感はなかった。どうなってるのかは知らない。

酸素マスクをされ、「じゃあ麻酔しまーす」の声。ナースさんがずっと右手を握ってくれていて、暖かさと柔らかさが心地良かった。
息を吸って、と言われ吸い、いつ数を数えてくださいって言われんのかなーでも何かちょっと気持ち悪いなと思ったか思わないかのうちに何も分からなくなっていた。全身麻酔凄い。

2014年9月9日、どんより曇ったスーパームーンの日。
眠ったまま私もどんよりと禍々しいスーパームーンを産み落とした。

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入院(手術)生活

入院(手術前日)

2014年9月8日初めての入院。能天気にもちょっとだけワクワクしている自分がいる。

10:00 手続きを済ませ病室に案内される。太っ腹な男ニコちゃんこと夫が過保護にも個室をとってくれた。1日¥14,000ちょい。聞いただけで具合が悪くなりそうだが、好きな時に入浴でき、洗面を独占できるのはありがたい。消灯になっても起きていられるし。

ナースさんが来て、身長体重血圧を測り、病棟のルールなどを聞きながらフロアをざっと見学。刑務所ってこんな感じかなとちょっと半笑いになりながらついていく。
緊急連絡先や簡単な問診をし、常備薬を預け、生活のしやすさに関する質問票に心配事や痛みの度合いなどを書き込んだ。

12:00 昼食。記念すべき病院食第一号だが、腹の張りが酷くておすましとマリネくらいしか喉を通らず。恐れていた程マズくはなくてちょっと安心した。
お膳を下げるや否や下剤が処方されてきたのでおとなしく飲む。食事も排泄も管理されて、家畜みたいだなとまたしても半笑い。

麻酔科の先生がベッドサイドに来て、麻酔の手順とリスクの説明。悪い歯やぐらついてる歯がないか確認された。全身麻酔の間は自発呼吸が出来ないので、器官に人工呼吸器を挿入する。その際弱っている歯が折れたり、喉を傷つけたりすることがあるそうだ。
入れ替わりに薬剤部の人が来て、飲んでいる薬やアレルギーの確認。

入院てこんなに忙しいのか。
パジャマに着替えるタイミングを迷う。まだ昼間だし。服を着たまま横になるのも妙なので、ベッドサイドに置かれたソファに座っていた。
ソファに座っている時誰かが来ると、相手を立たせたままだと偉そうな上司みたいだし、座ってもらうと狭いラブソファで見つめ合うことになるし、どうにも落ち着かない。
仕方なくパジャマに着替え、ベッドの上で正座して過ごすというわけの分からない状態に。

静かになったと思ったらナースさんが戻ってきて、剃毛とお臍の掃除をするという。こっこれが噂の… とにわかに緊張。浴室でするのかと思ったら、ベッドに横になったままだった。
つるつるに剃り上げるわけではなく、電動シェーバーでごく短く刈り上げるのみ。
お臍の掃除は綿棒とオイル?で。何でお臍の掃除するのか聞いて見たが、ナースさんも詳しいことは分からないという。ただ、昔は腹腔鏡手術の際おへその穴から術具を入れたので、そのための消毒の名残ではないかとのこと。
特に不快な事や極端に恥ずかしい思いをすることもなく、さらりと終了した。

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まとめ 入院まで

入院までのまとめ

病気が分かって余り動き回れなくなってやったことと言えば、ネットで情報収集しまくり。しかし、ググれどもググれども、卵巣癌の情報は限られていた。自分に何が起こりこれからどうなっていくのか、早く早く沢山の情報が知りたかった。
そんなわけでここまで順番に読んでくださっている方々には内容が重複して申し訳ないのですが、急いでいる人のために、時々適当に区切ってまとめ記事にしていきます。

・受診までに感じた体調の変化
体重の増加
頻尿
腹の張り感 → 次第にしこり感に。仰向けで脚を伸ばせなくなる。
突然の膝痛 腰痛を感じる人も。何も感じない人も。
次第に易疲労感・不眠・食事量低下

・受診は婦人科。検査項目は内診・超音波(エコー)検査・MRI・子宮がん細胞診、血液検査(腫瘍マーカー含む)・採尿・胸部及び腹部X線撮影。費用は併せて大体¥22,000くらいだった(3割負担)。
一連の検査で卵巣腫瘤の大きさとおおよその悪性度、転移の有無を調べる。

手術は全身麻酔で行い、術中迅速病理診断で良性か悪性かを判断する。
良性なら病巣の卵巣と卵管を取るだけなので、1時間半程で済む。
境界悪性なら両側の卵巣と卵管、子宮、大網を取る。
悪性なら両側の卵巣卵管、子宮、大網に骨盤リンパ節まで取るのが標準治療で、4時間以上かかる。膨れ上がった卵巣と他の臓器が癒着してしまっていると、剥がすために更に時間を要する。終了後化学療法をするケースも。

卵巣癌については、悪性か良性か、ステージや組織型など大事なことは手術をやってみないと分からないので、事前にあまり調べ過ぎない方がいい。自分がどれに当たるかも分からないまま、ネガティブな情報に多く触れてしまうと辛くなるばかりだ。

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