手指の痺れ、末梢神経障害がシャレにならなくなってきた。4クール目ともなると、蓄積するタイプの副作用がとにかく辛い。
痺れに加えて関節の強ばりが酷く、しっかり握れない。箸の握りも不安なレベル。こうなると、何かまとまった手作業をする気にもなれない。
大きな硬いたわしをずっと握りしめているみたい。
足の痺れも無視出来なくなってきた。足の裏がドラえもんの足みたいに球体になった感覚で、コロンと転がってしまいそうで怖い。歩くのもおっかなびっくりだ。
一方で、時々薬を飲み忘れるようになった。痺れ以外の体の辛さは、忘れるくらいに軽減してきているのだと前向きに捉えたい。
病気になってから、自分の買い物を殆どしなくなった。ヅラやら帽子やら一通り揃えた後は、たまにネットで柑橘を買うくらい。なんというか、興味がなくなってしまった。
理由は多分こんな感じだ。
・病気の治療に随分お金を使ってしまったという罪悪感。
・癌の宣告、入院、手術、抗がん剤投薬と非日常的な出来事が立て続けに起こり、ショッピングを楽しむ心の余裕がない。
・価値観が変わり、自分のための買い物より皆で楽しむことを優先させたくなった。
・腹の大きな傷跡を見ると、人間所詮は皮1枚で包まれた肉の塊、と思い知らされ着飾るのも化粧品もなんか空しい。
・5年後どうなっているか分からない状態で、不用意に私物を増やしたくない。
簡単に言うと、お出かけするあてもないし、うすらハゲでおしゃれする気にもなれないし、あまり沢山は食べられないし、何か新しいことを始めるほどの意欲はないしといった感じだ。
諸行無常な感じでよろしくないなぁと我ながら思う。
もっとギラギラして欲望にまみれていた方が生命力が強まりそうな気がする。
以前はどちらかというと買い物ジャンキーで、「迷ったら、買え」「どっちにするか決められなかったら、両方買え」がモットーだったというのに。
元気になってほとぼりが冷めたら、また自分も浪費家なくせに棚に上げる男ニコちゃんこと夫がため息をつくくらい買いまくる日が来るかな。来ない方がいいのかな。