月別アーカイブ: 2015年7月

化学療法(抗がん剤治療)

ddTC療法4クール1週目: CT結果

2015年1月6日。ddTC療法4クール1週目(day 1)、パクリタキセル+カルボプラチン2剤の日。

12日ぶりの通院。年明け一発目の病院は激混みだった。
気持ちが高ぶったのか何故か検温で37℃あり、ナースさんを心配させてしまった。
好中球1710で決行。年末年始リフレッシュのおかげか、正常値2000に迫る勢いで嬉しい。
リリカの副作用が酷かったからやめたことを伝えた。先生は「ええ、そんなになりましたか」と驚いた様子で、どうもリリカの副作用についてあまり把握していなかった模様。

CT結果、マーカーともに異常なしだったので、このまま化学療法後半戦突入が決定した。
CT所見のコピーをもらった。内容は以下の通り。( )内は私が分からなかったので調べて追加したもの。

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骨盤内に再発を考える有意な腫瘤形成を認めません。
肝臓:metastasis(転移)を考える有意な異常density(密度濃度)、SOL(占拠的病変)を認めません。微小嚢胞複数+。
胆、膵、脾、副腎に著変を認めません。
左腎に微小嚢胞+。水腎症を認めません。
明らかな腹水を認めません。

肺野右中葉に前回CTと同様淡い小結節影。炎症や瘢痕性変化を疑いますが経過観察ください。
他瘢痕性変化を散見も新たな異常陰影を認めません。
頸部、鎖骨上窩、肺門縦隔に有意なLN(リンパ節)腫大を認めません。
胸水を認めません。
左乳腺B領域に前回CT同様淡い高濃度結節。近傍の結節は前回CTよりもやや内部濃度が低下も、形状には大きな変化ありません。
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要するに現段階で再発転移を疑う要素はないけど、嚢胞とか結節とかはあるよ、ということ。この年になるとシミとかぶつぶつとか出来るのは顔の表面だけじゃないらしい。
嚢胞も結節も気分のいいもんじゃないけど、あまり気にしないで一緒に生きていくしかない。

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不安を隠して

2015年がやって来た。

元旦。気分のいい年越しだったので大丈夫かと思い眠剤を飲まずに床に就いたが、結局殆ど眠れなかった。浅い嫌な夢が幾つか通り過ぎて行き、去年の様々なシーンや嫌なイメージが次々湧いてきて、寝た気がしなかった。
体の熱を逃がすのにも失敗したらしく、妙に汗ばんたりと生理的にも寝苦しさを感じた。

せっかくの新年なんだからおとなしく服薬して寝ればよかった。
ちょっと自信がついてきたものの、体が万全でないことを肝に銘じなければ。

新年はちょっと奮発して金沢のお店からお節を取り寄せた。甘さに逃げず丁寧に和風で仕上げられ、お酢を使ったものも多くちょうど食べやすかった。食べられないかも、と心配して小さめのサイズにしたが、バクバクいけてしまった。
まだ元気だった頃北陸を訪れて、とても気に入った金沢料理。その旅行を最後に、程なくして病気が発覚した。あの楽しい旅行にがん細胞も連れて行ってたのかと思うとちょっとムカつく。

イベントを大事にする男ニコちゃんこと夫がお雑煮を作ってくれた。
たっぷりいい出汁を使い、私が作るより美味しく出来ていた。
一方で、そろそろニコちゃんの手荒れが気になり始めた。

ファイル 2015-07-06 22 01 10


 

眠れないといろいろな考えが浮かんでますます寝れなくなるという話をしていると、ニコちゃんが自分もそうだと話し始めた。
聞いていくと、実はニコちゃんの方が相当深刻な状態であることが分かってきた。
1人になると不安が強くなり、ネガティブなことばかり考えてしまうという。
だから、ほんの短い時間でも独りでいるのが嫌で、買い物や犬の散歩に出たりするのも辛いそうだ。極端なことを言えば独りになるから風呂に入るのすら嫌だったという。
重症ではないか。それで時々眠剤まで使っていたようだ。

化学療法が始まって、どんなものかが分かってきて、それに私が少しずつ慣れ、食欲や生活リズムを取り戻して行くにつれて、こうして話題に出来るくらいには精神状態が改善したという。
ネガティブな考えが具体的にどんなものかは聞かなかったけれど、このまま放置していては良くない気がした。

私だって自分が1人になることを思うと押し潰されそうな気持ちになる。後に遺される方が何倍も辛い思いをするのだ。
表に出さないよう黙って耐えていたのかと思うと本当に気の毒なことをした。彼にはカウンセリングが必要なのかも知れない。

ニコちゃんは見えないところでも頑張ってくれている。私も心を強く持とう。心労で彼の免疫力が下がってしまわないように。

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年の瀬カミングアウト

2014年年末。化学療法は滑り込みでちょうど半分終わったところ。
普段からズボラだが、こんなに何にもしない年末年始はさすがに初めてだった。
大掃除も、買い物も、料理もせず。

大晦日の夜、8月の癌発覚からずっと闘病を支えてくれたニコちゃんこと夫が、あらたまった表情で、私に言わなければならないことがある、と切り出してきた。
何か重大な問題が・・・とドキドキしながら身構えていると、ぱさ、とテーブルの上に出された紙の束。
なんと、年末ジャンボ宝くじ。しかも結構な枚数だ。

ニコちゃん曰く、「今年はかつてない程大変な1年だった。こんなに大変なら、代わりにツイてる部分があるかもしれない、と思った。こういう考え方にケリをつけるために、ちょっといっぱい買ってみた」
ニコちゃん・・・ 可愛い奴・・・。
確かに、幸運が続くといつか足をすくわれるのではないか、と怯え、不運が続けばそろそろ運が上向いてきてもおかしくない、と無意識に考えてしまう。最終的にプラスマイナスゼロでうまく帳尻が合うものと思い込んでいる。

今年こんなに酷い目にあったのだから、もしかしたら逆にいいこともあるかも知れない。
加えて、ニコちゃんは割とクジ運がいい。
そして、手分けして”運のバランス配分仮説”の検証に取りかかった。

151083 photo by illust AC

結果はすぐに分かった。幸運は舞い降りなかった。運不運は少なくともこんな短期スパンではバランスされていないようだ。
7億あれば、と一瞬想像もしたが、逆にもしこれが当たっていたら今度は幸運の代償を払う立場になってしまう。

大金があっても命は買えない。
暖かくお腹もいっぱいで、みんなそばにいて、本当に平和で満ち足りた年越しだった。
7億なんかなくたって、既に私はめちゃめちゃ幸せではないか。

・・・ま、あっても別に良かったけど。

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