日別アーカイブ: 2015年7月10日

その他

年の瀬カミングアウト

2014年年末。化学療法は滑り込みでちょうど半分終わったところ。
普段からズボラだが、こんなに何にもしない年末年始はさすがに初めてだった。
大掃除も、買い物も、料理もせず。

大晦日の夜、8月の癌発覚からずっと闘病を支えてくれたニコちゃんこと夫が、あらたまった表情で、私に言わなければならないことがある、と切り出してきた。
何か重大な問題が・・・とドキドキしながら身構えていると、ぱさ、とテーブルの上に出された紙の束。
なんと、年末ジャンボ宝くじ。しかも結構な枚数だ。

ニコちゃん曰く、「今年はかつてない程大変な1年だった。こんなに大変なら、代わりにツイてる部分があるかもしれない、と思った。こういう考え方にケリをつけるために、ちょっといっぱい買ってみた」
ニコちゃん・・・ 可愛い奴・・・。
確かに、幸運が続くといつか足をすくわれるのではないか、と怯え、不運が続けばそろそろ運が上向いてきてもおかしくない、と無意識に考えてしまう。最終的にプラスマイナスゼロでうまく帳尻が合うものと思い込んでいる。

今年こんなに酷い目にあったのだから、もしかしたら逆にいいこともあるかも知れない。
加えて、ニコちゃんは割とクジ運がいい。
そして、手分けして”運のバランス配分仮説”の検証に取りかかった。

151083 photo by illust AC

結果はすぐに分かった。幸運は舞い降りなかった。運不運は少なくともこんな短期スパンではバランスされていないようだ。
7億あれば、と一瞬想像もしたが、逆にもしこれが当たっていたら今度は幸運の代償を払う立場になってしまう。

大金があっても命は買えない。
暖かくお腹もいっぱいで、みんなそばにいて、本当に平和で満ち足りた年越しだった。
7億なんかなくたって、既に私はめちゃめちゃ幸せではないか。

・・・ま、あっても別に良かったけど。

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