見えない恐怖の始まり

化学療法が折り返し地点に差し掛かった頃から、「もうすぐ終わる!」という期待と共に、ある種の不安が表れてきた。
あれ程憂鬱だった化学療法なのに、終わってしまう事が不安なのだ。

通常の病気で治療の完了は治癒を意味する。しかしがんは多くの場合寛解という言葉を使う。
寛解とはwikiによると「永続的であるか一時的であるかを問わず、病気による症状が好転または、ほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態を指す」
要するに「取りあえず今はOK」という状態。
完治とは全く異なるニュアンスだ。

 

治療終了の喜びは、再発への恐怖の始まりでもある。
「なにもしていなくて大丈夫なんだろうか」
という漠然とした不安が拭えない。

ワクチンとか健康食品とか野菜ジュースとか、何かを始める気持ちがよく分かる。
何かをやっているという事実が欲しい。
「体のために○○を続けている」という事実で気持ちを支えながら、やっと前に進める気がするのだ。
メンタルの問題が大部分を占めるので、何をやるかはあまり問題ではない。

8860c2ec470af14e55dab8eb07151461_m
 photo by チョコラテさん

 

とはいえ、面倒くさいのはイヤなのだ。マズイとか手間がかかるとか、苦行になったらどの道続けられない。
体のためにこんなに辛いことを我慢している・・・ という呪詛のような習慣では逆効果な気がする。
値段が高いのもイヤだ。こんなものに大金を払うんなら、もっと楽しいことに使った方が免疫力上がるんじゃね?と思ってしまうのだ。
こんな感じで私はワガママ過ぎるようで、幸か不幸か適切な代替療法が見つからなかった。

でも何かやっておきたい。

にほんブログ村 病気ブログ 卵巣がんへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>