月別アーカイブ: 2015年4月

化学療法(抗がん剤治療)

入院: 化学療法準備その2 オリエンテーション

2014年10月14日 初回TC療法前日入院続き。

夕方から外来化学療法室にてオリエンテーション。
ddTC療法は、初回はアレルギー反応などを見るために入院し、自分のベッドで投薬するが、残りは外来で行う。
外来では診察室ではなく化学療法室という専用の部屋に移動する。

中はだだっ広い大部屋の病室と言った感じで、通路を挟んでベッドや椅子が配置され、カーテンで仕切れるようになっていた。23人分スペースがあるそうだ。

ケモ室

ddTC療法の所要時間は、1週目2剤(カルボプラチン+パクリタキセル)の日は約2.5時間
2・3週目1剤(パクリタキセル)のみの日は1.5時間
備え付けのTVは視聴フリーで、本やゲーム機、飲食物も持込み可。トイレに行く時は点滴をモバイル仕様にするのでナースコール。

手順や副作用について丁寧に説明してもらえた。
パクリタキセルは水に溶けにくく、アルコールに溶かしてある。そのため1回分にウイークリー投与でビール250ml缶1本、マンスリーだとビール500ml缶くらいのアルコールが含まれていて、お酒に弱い人は酔ったような症状が出るらしい。
アレルギー対策の薬も抗ヒスタミン薬なので、相乗効果で猛烈に眠気が来るそうだ。
外来の時は帰れなくなるから、車運転して来ないでね、と念を押された。

手足の痺れは投薬1回につき大体5週間程残るという。酷くしてしまうと4年くらい残ることもあるらしい。下手するとずっと残るので、我慢せず早めに対処する必要があるとのこと。

吐き気は実際はムカムカ程度で、ゲロゲロ吐く人の方が少ないそうだ。
お酒に弱い人や、乗り物酔いしやすい人はこの副作用が出やすいらしい。…私じゃん。
食べられずにやせ細るイメージが強いが、副作用対策に入れるステロイドは体重を増やすらしく、太ってしまう人も結構いるとか。
看護婦さんは私を見て、でもまーあなたはどっちかっていうと痩せちゃう方かな、とのたまった。さようですか…。

脱毛は確実にする、と言われた。説明をしてくれたナースさんは、「私は何年もここにいるけど、TC療法やって脱毛しなかった人は1人も見たことがない」と言い切った。
抜け始めると早いから、早めに帽子やかつらを用意しておいたいいですよ、と。

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化学療法(抗がん剤治療)

入院: 化学療法準備その1 散髪

2014年10月14日 初回TC療法前日入院。

今回は2泊3日だし、そうそう贅沢もしてられないので大部屋に入った。6人部屋の窓側。

前回の手術の時に書き忘れたが、下着はユニクロのウルトラシームレスショーツが便利だった。ゴムも縫い目もないので、術前のパンパンに張った腹も、術後の縫ったばかりの傷跡も、締め付けられることがなく楽に過ごせた。ジップロックみたいな入れ物に入っていてかさばらない。安いし。

手続きを済ませ落ち着いてすぐ、院内理髪室の予約を頼んだ。
そろそろ髪を切りたいと思っていた矢先の癌発覚で、もう半年も伸ばしっぱなし。
退院後も美容院で長時間過ごす体力はなく、ずるずる来てしまった。
TC療法のパクリタキセルは脱毛の副作用が強く出るという。次いつ切れるか分からないから、思い切って短くしてもらうことにした。

理髪室は空いていて、すぐに呼ばれた。病院内だからこういうケースは珍しくないだろうと思い、そのまんま
「これから抗がん剤治療をするので、髪の毛が抜けると思うから、邪魔にならないようなるべく短くしてください」と頼んだ。
淡々とやってくれるかと思いきや、「あらまぁ気の毒に」「まだ若いのに」「普通に元気そうに見えるのにねえ」と終始普通のおばちゃんトーク全開だった。

一瞬丸刈りにしてもらおうかとも考えたが、短くしすぎると抜け毛の処理が、床に散らばったごま塩を拾うような感じで却って面倒になるらしい。結局長さ15cmくらいの半端なショートに落ち着いた。

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まとめ 化学療法(抗がん剤治療)

卵巣癌の術後化学療法(抗がん剤): ddTC療法

卵巣癌はしつっこい癌なので、手術をして例え病巣を全て取り去ることが出来ても、念のため細胞レベルでの完全な消失を目指して、引き続き抗がん剤治療をやるケースが多い。
それも術後出来るだけ早く。

投与する薬:
パクリタキセル(タキソール)とカルボプラチンという薬を併用するのが標準治療。パクリタキセルが一般名でタキソールは商標名。TC療法と呼ばれている。
パクリタキセルの主な副作用: 骨髄抑制、末梢神経障害(手足の痺れ)、脱毛
カルボプラチンの主な副作用: アレルギー反応、骨髄抑制、吐き気、腎障害

投薬は点滴で行い、投薬スケジュールはざっくり分けて月1ペースで行うマンスリー、週1ペースで行うウイークリーがある。
私の病院ではddTC(dose-dense TC)療法と言っていたが、週1ペースでのウイークリー投与を提案された。

投薬期間と休薬期間のセットをクールと呼ぶ。
TC療法は6クール投与が標準で、大体6ヶ月かかる。

マンスリーは3〜4週おきに2剤(パクリタキセル+カルボプラチン)をまとめて投薬する。

ddTC(ウイークリー)は
1週目: 2剤(パクリタキセル+カルボプラチン)
2週目: パクリタキセル1剤
3週目: パクリタキセル1剤
を投与する。これで1クール。
dose-dense(集中投与)の名の通り、休薬週はない
3週1クールペースでどんどん打って行く過酷な方法で、完遂率は50%を切るという。

マンスリーでもddTCでも生存期間に差はない。ただ、ddTCは無病生存期間を10ヶ月以上延長したという報告があり注目されている。
対応していない病院もまだ多く、どちらがいいというはっきりとした優劣は結論づけられていないようだ。

ddTC療法は外来で打てるし1回の所要時間が短くて済む一方、毎週通院する負担、針を3倍多く刺すという負担がある。

マンスリーに比べ、吐き気・末梢神経障害(手足の痺れ)などの副作用が比較的軽いと言われている。逆に骨髄抑制はddTCの方が強く出る。完走が難しいのはこのためのようだ。
比較的若くて全身状態がいい、要するに体力のありそうな人に勧めるらしい。

※ 休薬週を入れているケースもあるようです。

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