日別アーカイブ: 2015年4月18日

化学療法(抗がん剤治療)

明細胞腺癌でも抗がん剤

2014年10月3日退院後初外来続き。
引き続き術後化学療法を提案されたが、「やりたくないです」と即答した。
吐き気が止まらず、全身が脱毛し、食欲が落ちてやせ細ってしまうというイメージが拭えない。

しかも明細胞腺癌に抗がん剤は効かないと色んなところで書かれている。そもそも毒物を体に入れるなんて嫌だ、と答えると先生は困惑した表情だった。
「明細胞腺癌に抗がん剤が効きにくいのは事実だけど、全く効かないというわけじゃないんですよ」

とはいえ、明細胞腺癌のみのTC療法奏効率を何度聞いてもはっきりした回答はなかった。卵巣癌全体のデータしかないというのだ。効きにくいというデータがある以上、ないこたないだろう、と勘ぐってしまう。
ガイドラインやエビデンスを重んじる先生が、やっても無意味な事は奨めないだろうとは思うのだけど。

一度返事を保留にして診察室を出た。
抗がん剤をやり始めたら、どんな副作用が出るか分からない未知の闘病生活の始まりだ。しかも半年もの長丁場!半年も続いたらそれはもはやライフスタイルと言ってもいい。手術の時以上にニコちゃんこと夫に迷惑をかけるだろう。
6ヶ月間様々な副作用に苦しみ、仕事も家事もままならず、ニコちゃんの生活までめちゃくちゃにして、そこまでやっても効くか効かないかよく分からない治療。そんな馬鹿な話ってあるだろうか?

待合室の長椅子に座りながら、ニコちゃんの顔を見つめて言った。
「…それでも、化学療法をやってみようかと思う」
ニコちゃんもやろうよ、と言うところだった。家のことは心配しなくていい、治療に専念して欲しい、と。ニコちゃんがそう言うのは分かっていた。そういう人だ。

すぐさま診察室にとって返し、「やっぱやります」と宣言。いつもは無表情な先生が少しほっとしたような顔になった。その場で投薬日が決定した。
初回は2泊3日の入院で行うという。

「手術で病巣は取り切れた。後は根治のための治療です」と先生は言った。
根治のため、という言葉が響いた。癌で根治という言葉はなかなか使われない。はっきり根治を狙えるのは初回治療の今回だけだという。
もっと辛いスタートラインから始める人もたくさんいる。親身になってくれる家族に恵まれ、根治の可能性があるというのに、自分1人不幸みたいな顔してやりたくないと駄々をこねるのも勿体無い話だと思った。
どうしても無理だったらやめればいい話だ。

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