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入院まで

初めてのMRI検査

2014年8月11日、続いてMRI検査。受けるのは生まれて初めて。
横になってくださいと言われるが、張った腹が苦しくて仰向けになって脚を伸ばせない。
そういう人は結構いるのか、検査技師さんは慣れた手つきで膝の下にクッションを入れてくれた。
左手に何かあった時のための緊急停止ボタンを握らされ、ちくわの穴みたいな所に頭から突っ込まれた。多分棺桶より狭い。鼻も掻けない。閉所恐怖症の人でなくても決して目を開けない方がいい。
始まるとがっちょんがっちょんと頭の上でガチな工事をやってるような猛烈な音。ヘッドホンをされて、白々しいクラシックがかかっているが、全然負けてるよ!デスメタルとかにしないとだめだよ!
しかもヘッドフォンはちょっとずれているのにちくわの中なので直すことも出来ない。
やることがないのでそのうち寝てしまったら、どうやら20分くらいで終わったようだ。

後日総合的な結論を聞きに行った。
卵巣嚢腫 卵巣癌疑い、とのこと。MRI写真では更に多く、4~5箇所に輪郭のはっきりしない充実部の影が見て取れた。
検査はここで全て出来るが、治療はちゃんとした所でやった方がいいですよ、と言われた。
ここはちゃんとした病院じゃないんですかといらんことを聞いてみたが、どうやらがん拠点病院などがん治療のウェイトの高いところを勧めたかったようだ。医師がほぼ悪性だろうと踏んでいるのが見て取れた。
一番早くやってくれるところでやりたいので紹介状を複数書いてくれと言うと、そう言うのはやってないそうだ。
宛先無記名の紹介状を書くことはできると言うのでそれでお願いした。

ニコちゃんこと夫はさすがに動揺しつつも、これから何か日常生活を送る上で辛いことや出来ないことがあったら遠慮なく言って欲しい、と言ってくれた。
内診、エコー、MRI、紹介状など併せて費用は¥11,780。

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各種検査とエコー画像

2014年8月12日、朝イチで早速病院に電話をかけ初診の申し込み。
すると、紹介状があろうがなかろうが、今からだと一番早くて9月になります、との事。
ああ私ヲワタと思い布団をかぶって寝た。現実逃避ってやつです。
その間に出来る男ニコちゃんこと夫があっちこっちに電話をかけ、別の系列病院で本日午前中に診察可能な所を見つけ、すぐに私を叩き起こして病院へ連れて行ってくれた。

1時間待って婦人科受診。宛名が違うけどまあ気にしないでくださいと言って紹介状を差し出した。
検査は内診と超音波、MRI。
超音波は経膣超音波検査と言い、細長いプローブという検査具を膣内に入れることで、至近距離から子宮や卵巣の様子を調べることが出来る。
器具が細いので痛みや苦痛は殆どない。内診の方が痛い。
結果はこちら。
エコー画像

ひと目見て分かる、ボール状の黒い塊。こんな臓器が本来存在しないことは容易に分かる。
腹の中に浮き袋があるような感じというのはジャスト正解だったのだ。
但しその浮き袋に入っているのは空気ではない。

医師によると、卵巣は本来3-4cmで親指大ほどの大きさだが、15cm程に腫れ上がっている。中に詰まっているのは漿液である。これだけなら余り問題ではないが、問題はすみっこのぽこんと出た充実性の部分。
これが嫌な感じで、率直に言って悪性が疑われる、と。卵巣腫瘤は殆どが良性だが、悪性は難しいという。難しいって?

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しぶしぶ初診

2014年8月11日、この頃には食欲もなくなり少し動くとすぐ疲れ、時々腹部に鈍痛も感じていたのに、尚ぐずぐずと受診を渋っていた。
しかしこの日になって夜もよく眠れなくなり、遂に重い腰というか重い腹を上げて病院へ向かった。

取り敢えずかかりつけの不整脈外来へ。ちょうど飲んでいる薬が切れていたのだ。
午後の時間外で担当医は不在だったが、薬だけならと当直のドクターが出てきてくれた。
処方箋出すだけだと思っていたようで、薄暗いロビーで立ち話。いつもの薬ですね、1ヶ月分ね、と言って戻ろうとする医師に
私「あ、あと最近お腹が張るんです」
医師「ああそう、便秘薬でも出しときますか」
医師は興味なさそうに言って立ち去ろうとして、それが逆に私の心に火をつけた。もうこの体はヤバい。今診てもらわないと、また眠れぬ夜を過ごして日を改めてってんじゃ辛すぎる。
便秘じゃないんです、とにかく張って食欲もないんです、と必死に訴えた。
医師はやっと面倒臭そうに「それじゃちょっと横になって見て」と診察室に通してくれた。

服を着たまま横になった私の腹を一目見た医師の態度がさっと変わった。

これは普通じゃないな、いつからですか、今の年齢は、妊娠はしてませんね、矢継ぎ早に聞かれた。
1ヶ月前からと答えると、1ヶ月でこんなになるのは早すぎるな、と呟いていた。
便秘ではない、膀胱炎ではない、詳しくは検査しないと何とも言えないのでこの場でごちゃごちゃ言うのは控えるが、場所的には婦人科である、と。
ここでやっと自分にも婦人科の臓器があることを思い出した。
医師は切羽詰まった様子で、早く専門の病院で検査した方がいい、と言った。
内科ですか?と聞くと、いやもっとMRIなどを備えた総合病院の方がいい、と系列病院の紹介状を書いてくれた。
愛想は悪いが速攻で的確な判断をしてくれたあの医師には感謝している。
受付に行く途中で紹介状を見てみたら、下腹部に腫瘤の疑いと書かれていた。腫瘤。嫌な単語だ。

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