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入院まで

CT結果と入院説明

日を改めてCTを撮った。現時点で体の他の部分に転移がないか調べるためだ。
ヨード系の造影剤を点滴してからの撮影。最初に生理食塩水の点滴をして、撮影直前に横からヨード剤を注入する。
実はこれが生まれて始めての点滴。ぶっとい針を刺した跡は何故かその後3週間も痛かった。
ヨードは入れた瞬間に体を駆け巡って熱くなり、喉元にヨードチンキの臭いがツンと上がってきた。
お会計は¥8,030。

午後には結果が出た。片胸の乳腺に石灰化らしき部分と、肺の一部に白い炎症が見られたがどちらも転移とは無関係とのこと。
また、リンパ節に腫れも見られず、転移はないという見立て。患部は左卵巣のみと思われる。

実は卵巣がんの場合、厳密には術前に正確な告知をしない。病巣を取って病理診断して見ないと良性か悪性かも分からないのだ。
卵巣は体の奥にある臓器なので、ちゅっと針を刺して組織サンプルを採取するということが出来ない。もし悪性だったら、刺した瞬間体内にがん細胞をばら撒くことになってしまうからだ。
ただ先生方は悪性っぽい顔つき、などと経験的に見立てをするし、当然ながら悪い方を想定して動く。

実際の手術はまず開腹して速やかに病巣を取り、術中迅速病理診断というものにかけるそうだ。
術中病理診断とは、お腹をぱかーんと開けたまま取ったものをダッシュで病理部に持って行き、速攻で標本を作ってその場で悪性か否かなどをインスタント病理診断し、その結果を踏まえて続きの手術をするという方法。何分急ぎの仕事なので1割ちょっとくらい間違えることもあるらしいが、一度の開腹で診断と手術を同時に出来るメリットは大きい。

良性だった場合 → 悪い方の卵巣と卵管を取る
境界悪性 → 悪い方の卵巣・卵管に加え、もう片方の卵巣・子宮・大網を取る
悪性 → 上に加え、骨盤リンパ節も取る。リンパ節にまで行っているようであれば化学療法へ
以上が標準治療。
ただ今回の場合、悪性でもリンパ節に腫れがないので取らないとのこと。むくみなど不具合が出るケースが多いので、何かあれば化学療法で対処するそうだ。
ちなみに境界悪性とは、悪性って程タチは悪くないけど良くもないよねという状態らしい。大きくなってくけど浸潤はしない、とか。

所要時間は良性なら20分+迅速病理診断1時間。悪性ならそこから色々取るので4時間〜、癒着が酷ければ更に時間がかかる。
「病理診断を待ってる間、お腹開けっ放して放置で大丈夫なんですか」と聞いてみたら、放置ではありません、肉眼で更なる病巣や異変がないか調べたりします、とのこと。お茶して休んでるわけではないらしい。

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手術をする病院へ

2014年8月18日、ここで手術をしようと決めた総合病院の初診に紹介状を持って赴いた。
問診の後、内診、超音波検査、子宮がん細胞診、血液検査、採尿、胸部及び腹部X線撮影、生理検査( 心電図と肺活量など)。お会計は¥13,420。
生理検査は手術や麻酔に耐えうるかを調べるもので、空いていたので先に済ませてくれた。

細胞診は痛いらしいのでビビっていたら、付き添いの看護婦さんが慣れた人で、「こういう器械で子宮口を広げるのよ、その時ちょっと痛みがあるけどそこから入る器具はもっと小さいから」とオープンに道具を見せてくれた。
何をしているのか分からないよりこうして見せてくれた方が不安がない。確かにその子宮口を広げる時が一番痛かった。それ以降はまぁまぁ我慢できた。
細胞を採取する瞬間は子宮の痛みという奴を感じたが、生理痛のちょっと重いの程度だった。
看護婦さんに言われた通り、力を抜いてお尻を椅子に沈み込ませる体勢が最も楽だった。一つ検査が終わるたびに深呼吸させてくれ、声もかけてくれて事務的でないのも良かった。

最後に「子宮が横にずれてたんで引っ張ったらちょっと出血した」とガーゼを突っ込んで圧迫止血した所が外科っぽいというか、結構大雑把に扱っても平気なんだなと感心した。夜にかけて多少は鈍痛とともに血が滲み、レバー状の小さな塊が出た。

問診ではよく話を聞いてくれた。
現時点で分かっているのは15cm大の卵巣嚢腫があり、一部充実腫が見られること、進行が早いので悪性の疑いがあること。
内診の結果子宮内に異物は見あたらない。他への転移の有無、そもそも原発腫が卵巣かどうかもCTを撮って確認する必要がある。

この大きさなので開腹手術になり入院期間は10日程。
実際オペをしながらどこまで切除するか決めて行く。
また、腸と卵巣が一部癒着しているため、これを剥離させる行程を手術に含む。
血液検査で炎症反応を示す値CRPが正常値を越えていた。恐らく癒着部分が炎症を起こしているか、既に嚢胞の一部が破けているかだが、破裂していたらとても平然と外来に来れる状態ではなくなるから、そっちはまだ大丈夫でしょう、と言われた。

私は不整脈持ちなので(ABOUTの既往参照)、全身麻酔の手術が可能かどうか後日かかりつけの不整脈外来ドクターの見解が必要になった。入院中も服薬を継続していれば大丈夫でしょうとのことだった。
持病があると手術ひとつ取っても面倒くさい。

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病院選び

どこの病院で手術をするか。首都圏ではあるが都心ではないところに住んでいるので、病院選びは少し迷った。足を伸ばせば選択肢は増えるが、頻繁に行き来することを考えると遠くない方が自分も家族も負担が少ない。

1番近いがん拠点病院の総合病院と、比較的近場にある某がんセンターと、ちょっと遠くの卵巣がんを得意としている大学病院の3択になった。
結局決め手になったのは、近場にあって1番早く手術が出来そうなこと。がん拠点病院の総合病院にした。
病院というとつい評判や実績が気になってしまうが、どこへ行ってもそこのエースドクターに診てもらえる保証はない。体調が悪い中通院する日もあるかも知れないと思うと、早い&近いは重要に思えた。
紹介状をもらってから、何とか3日後に初診の予約が取れた。

体調は加速度的に悪化。夜中に腹部の鈍痛や身の置き所のないしんどさを覚えて目が覚める。
身をかがめて物を拾うことが出来なくなった。

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