タグ: 明細胞腺癌

化学療法(抗がん剤治療)

明細胞腺癌でも抗がん剤

2014年10月3日退院後初外来続き。
引き続き術後化学療法を提案されたが、「やりたくないです」と即答した。
吐き気が止まらず、全身が脱毛し、食欲が落ちてやせ細ってしまうというイメージが拭えない。

しかも明細胞腺癌に抗がん剤は効かないと色んなところで書かれている。そもそも毒物を体に入れるなんて嫌だ、と答えると先生は困惑した表情だった。
「明細胞腺癌に抗がん剤が効きにくいのは事実だけど、全く効かないというわけじゃないんですよ」

とはいえ、明細胞腺癌のみのTC療法奏効率を何度聞いてもはっきりした回答はなかった。卵巣癌全体のデータしかないというのだ。効きにくいというデータがある以上、ないこたないだろう、と勘ぐってしまう。
ガイドラインやエビデンスを重んじる先生が、やっても無意味な事は奨めないだろうとは思うのだけど。

一度返事を保留にして診察室を出た。
抗がん剤をやり始めたら、どんな副作用が出るか分からない未知の闘病生活の始まりだ。しかも半年もの長丁場!半年も続いたらそれはもはやライフスタイルと言ってもいい。手術の時以上にニコちゃんこと夫に迷惑をかけるだろう。
6ヶ月間様々な副作用に苦しみ、仕事も家事もままならず、ニコちゃんの生活までめちゃくちゃにして、そこまでやっても効くか効かないかよく分からない治療。そんな馬鹿な話ってあるだろうか?

待合室の長椅子に座りながら、ニコちゃんの顔を見つめて言った。
「…それでも、化学療法をやってみようかと思う」
ニコちゃんもやろうよ、と言うところだった。家のことは心配しなくていい、治療に専念して欲しい、と。ニコちゃんがそう言うのは分かっていた。そういう人だ。

すぐさま診察室にとって返し、「やっぱやります」と宣言。いつもは無表情な先生が少しほっとしたような顔になった。その場で投薬日が決定した。
初回は2泊3日の入院で行うという。

「手術で病巣は取り切れた。後は根治のための治療です」と先生は言った。
根治のため、という言葉が響いた。癌で根治という言葉はなかなか使われない。はっきり根治を狙えるのは初回治療の今回だけだという。
もっと辛いスタートラインから始める人もたくさんいる。親身になってくれる家族に恵まれ、根治の可能性があるというのに、自分1人不幸みたいな顔してやりたくないと駄々をこねるのも勿体無い話だと思った。
どうしても無理だったらやめればいい話だ。

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退院後

退院後初外来:病理結果

2014年10月3日退院後初外来続き。

内診の後は病理診断結果の話。
卵巣癌でステージは1c。組織型はやはり明細胞腺癌だった。
病巣は左片側卵巣に限局しており、右側卵巣にも子宮にも洗浄水中にも癌組織はなかった。
しかし術中破綻したのに加え、術後の病理診断の結果、腹水細胞診が陽性だったため1cで確定した。


 

卵巣癌のステージは主にFIGO(国際産婦人科連合)の進行期分類表に基づいて決定される。ちょうど2014年に改訂版が発行されたそうだ。新基準は以下の通り。

I期:卵巣あるいは卵管内限局発育
IA 期:腫瘍が一側の卵巣(被膜破綻がない)あるいは卵管に限局し、被膜表面への浸潤が認められないもの。腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められないもの
IB 期:腫瘍が両側の卵巣(被膜破綻がない)あるいは卵管に限局し、被膜表面への浸潤が認められないもの。腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められないもの
IC 期:腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に限局するが、以下のいずれかが認められるもの
IC1:手術操作による被膜破綻
IC2:自然被膜破綻あるいは被膜表面への浸潤
IC3:腹水または腹腔洗浄細胞診に悪性細胞が認められるもの

II期:腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に存在し、さらに骨盤内(小骨盤腔)への進展を認めるもの、あるいは原発性腹膜癌
IIA 期:進展ならびに/あるいは転移が子宮ならびに/あるいは卵管ならびに/あるいは卵巣に及ぶもの
IIB 期:他の骨盤部腹腔内臓器に進展するもの

III期:腫瘍が一側または両側の卵巣あるいは卵管に存在し、あるいは原発性腹膜癌で、細胞学的あるいは組織学的に確認された骨盤外の腹膜播種ならびに/あるいは後腹膜リンパ節転移を認めるもの
IIIA1 期:後腹膜リンパ節転移陽性のみを認めるもの(細胞学的あるいは組織学的に確認)
IIIA1(i):転移巣最大径 10mm 以下
IIIA1(ii):転移巣最大径 10mm をこえる
IIIA2 期:後腹膜リンパ節転移の有無にかかわらず、骨盤外に顕微鏡的播種を認めるもの
IIIB 期:後腹膜リンパ節転移の有無にかかわらず、最大径 2cm 以下の腹腔内播種を認めるもの
IIIC 期:後腹膜リンパ節転移の有無にかかわらず、最大径 2cm をこえる腹腔内播種を認めるもの(実質転移を伴わない肝および脾の被膜への進展を含む)

IV期:腹膜播種を除く遠隔転移
IVA 期:胸水中に悪性細胞を認める
IVB 期:実質転移ならびに腹腔外臓器(鼠径リンパ節ならびに腹腔外リンパ節を含む)に転移を認めるもの


 

この表によると私は術中破綻なら1c1の筈だったが、腹水細胞診(+)のためステージ1c3ということになる。

病巣は割れてないのに何で腹水の中にがん細胞がこぼれてるんですか、と聞いてみたら、漿液でぱんぱんだとどうしても浸み出して来ちゃったりするらしい。

癌は手術でばっちり全部取ったから、しかもお腹の中もよーく洗ったから!と繰り返し言われた。
なるほど、術後麻酔から覚めた途端シバリングを起こしたのは、お腹をじゃぶじゃぶ洗って低体温になっていたせいか。覚めた時保温もされてなかったし。まぁそれくらい念入りに洗ってくれたのはありがたいけど。

手術は成功し癌は取り去った。そしてその上で根治のために化学療法を提案します、と言われた。
今は何の治療もしていない状態だから、来週か再来週か、早い方がいいという。

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