2015年 12月3日。ddTC療法3クール1週目。先週に続き今週も、まさかの2週連続延期になった。
骨髄抑制が強く出てきた。
好中球数: 先週846 → 466 mm3(μl) L
抗がん剤開始当初3363mm3(μl)あった好中球数がこの日は466。
先週休薬したにもかかわらず、減少は止まらなかった。遂に500を切って副作用のレベルがgrade4になった。
grade5 は「死亡」なので、文字通り崖っぷちだ。
WBC(白血球数)も赤血球数もヘモグロビンもヘマトクリットも、ことごとく基準値を下回った。
先生はgrade4になっても尚、G-CSF製剤は打たないと言う。
だってもうこの後ないよ?と思ったが、初回治療で発熱がなく、PS(全身状態)がいい場合にはG-CSF製剤投与はあまり推奨されないらしい。
帰ってから調べてみたら、G-CSF製剤は眠っている造血細胞を起こして無理矢理白血球を作らせる。
薬で白血球を増やし、増えたら抗がん剤を打つ、というサイクルに入ってしまうと、造血細胞が起きた所を抗がん剤に攻撃され、どんどん細胞のストックがなくなってしまうため、最終的に骨髄抑制が酷くなってしまうようだ。
折しも2014年は晩秋から2種類ものインフルエンザが猛威をふるっていた。
「風邪引かないでくださいね」と何度も念を押されたが、引きたくて引く風邪なんて運動会の前日ぐらいだ。
主治医は続けた。
「次回から抗がん剤の量を80%に減らしましょう」
「手術で全部取り切ってるからあまり心配しないで」
全部取り切って心配ないならそもそも抗がん剤はいらない筈だ。
必要あるからこんな思いをして打っているわけで、やはり投薬量減量は重たいニュースだった。
「やっぱり減量すると効果も2割減なんですか?」と聞いてみたが、そんなことはないと言われた。
全然そんなことないんなら、最初から2割減の量で打つよなあ、と思ったが、言っても先生を困らせるだけだろうから、黙ってため息をついた。
先生も頑張っている。私の身体も頑張っている。抗がん剤は、ちょっと頑張りすぎている。
誰も悪くない。