タグ: ブロチゾラム

退院後

退院後: 腹筋ゼロの日々

退院後、飲まなければいけない薬はなかった。
入院中処方されていたものをこちらから希望して、痛み止めのロキソニン、下剤マグラックス、眠剤ブロチゾラムをしばらく服用していた。
眠剤は痛みを抱えたままでもきちんと睡眠をとるため。
下剤は腹筋に負担をかけずにお通じを出すため。

ぴんと背を伸ばせずどうしても猫背になる。
底の薄い靴を履いた時や、階段を降りる時は衝撃で腹が痛む。
車に乗る時はシートベルトと腹の間に上着やバッグを挟んで、力が直接かからないようにした。

次第に食欲も回復し、以前と同じようにたらふく食べられるようになったが、何故か体重は戻らない。体の回復にエネルギーが使われているんだろうか。

退院後1週間目頃からやっとV字回復し、食べたら増えるようになってきて嬉しいような残念なような。
この頃からようやく体を伸ばして眠れるようになってきた。

秋の気配が濃くなってきたある日、術後初めてのくしゃみをした。衝撃は長々と腹に響いたけれど、ナースさんに言われていた「お腹が割れたかと思うらしいわよ」って程ではなかった。

腹筋がないと、瓶の蓋も開けられないし、泡で出るハンドソープをプッシュも出来ない。ありとあらゆる動作に腹筋が使われていることを再確認した。
ニコちゃんがビオレの「子供の力でも押しやすい」ハンドソープ容器を買ってきてくれた。

気になるのは、あれだけの塊を取り去ったのに、何だかまだお腹に張り感を感じること。手術前程ではないけれど、まだお腹がぽっこり出ていること。

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入院(手術)生活

術後6日目: 久しぶりのコーヒー

昨夜はブロチゾラム(レンドルミン)という眠剤をもらって飲んだら、朝起こされるまでぐっすり寝られた。おとなしくしばらくは利用した方が良さそうだ。

まだ咳が出る。回数はだいぶ減った。
痛みもある。頭がはっきりして来た分むしろ強く痛みを感じるようになったかも知れない。
昨日ほどは疲労感もない。やっぱり眠れたのが大きいか。

午前中の回診で動かずに食っちゃ寝しているのに体重が減って行くことについて聞いて見た。
「減ってるのは多分水分」とのこと。
術後水分や点滴が体に溜まっているが、3日目あたりからそれが抜け始めるのだという。確かに点滴してた時は10回以上トイレに行ってたが指などがむくんでいた。

病院食は量は多いけど高カロリーじゃないし、やつれているわけでもないので心配ない、多分退院した途端体重戻りますよ、と笑われた。マジか。
心配ないならせっかくだからあと2〜3kg減らしておきたいもんだ。

仰向けで寝ると痛いと言うと、脚を伸ばすと皮と一緒に傷が引っ張られるからしょうがない、横向きに寝てください、とあっさり。

午後の検温のついでに、退院後の生活についての注意事項のパンフと共に説明があった。重い物は持たないようにとか、当たり障りのないことが書かれていた。

面会時間きっかりに今日もニコちゃんこと夫が来てくれた。今日はちゃんと起きてこざっぱりとした状態で迎えられた。
今日は小さな魔法瓶にコーヒーを淹れて来てくれた。コーヒーなんて入院前以来1週間ぶりだ。普段使っていた真空断熱タンブラーまで持参で。
それにプリンの差し入れ。

pudding

いつものタンブラーが、いつの間にか病院での生活に馴染み始めてしまった私を、ぐっと日常に連れ戻してくれたような気がした。

そろそろ外の世界に戻る心の準備だけでもしておかないと、きっと振り落とされてしまう。
帰りは一緒に階段を降り、病院の出口まで送って行った。初めての遠出だ。

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