タグ: 抗がん剤

その他

味覚の変化

好中球減少症がシャレにならなくなってからは、用心深い男ニコちゃんこと夫は、刺身や納豆などの生ものを一切食卓に出さなくなった。鮨好き納豆好きな身としては結構辛い。

抗がん剤の副作用で、味覚障害が起こるとよく言われている。
食べ物の味が変わってしまったり、味が分からなくなるそうだ。
「何を食べても砂を噛んでいるよう」とよく言われる。そうなったらさすがに食べられる自信がない。

私の場合、食べ物の好みは多少変わったが、味覚障害は起こらなかった。
抗がん剤投与後数日間は、コーヒーの味が苦くて受け付けなくなった。

また、味覚全体が鈍くなり、強い味を好むようになった。だからか、意外とカップ麺なんかが食べやすかった。
エスニックものに食欲が湧いたのも同じ理由だろうか。インドカリー、トムヤムクン、カオマンガイ、キムチ鍋、ジャンバラヤ、酸辣湯麺などなど各国料理に助けられた。

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おかげで何とか体重を落とすことなく過ごせていた。
食欲はないけれど、目の前にストライクなものを並べられると案外食べられるものだ。ありがとうニコちゃん。
自分が作らなければならなかったら、多分殆ど食べなかっただろう。

それにしても、痩せたいとか言ってるうちが華だなぁとしみじみ思った。食欲があるって素晴らしいことだ。

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化学療法(抗がん剤治療)

ddTC療法3クール1週目:崖っぷち再延期

2015年 12月3日。ddTC療法3クール1週目。先週に続き今週も、まさかの2週連続延期になった。

骨髄抑制が強く出てきた。
好中球数: 先週846 → 466 mm3(μl) L

抗がん剤開始当初3363mm3(μl)あった好中球数がこの日は466。
先週休薬したにもかかわらず、減少は止まらなかった。遂に500を切って副作用のレベルがgrade4になった。
grade5 は「死亡」なので、文字通り崖っぷちだ。
WBC(白血球数)も赤血球数もヘモグロビンもヘマトクリットも、ことごとく基準値を下回った。

骨髄抑制のgrade

資料:北海道医療大学

先生はgrade4になっても尚、G-CSF製剤は打たないと言う。
だってもうこの後ないよ?と思ったが、初回治療で発熱がなく、PS(全身状態)がいい場合にはG-CSF製剤投与はあまり推奨されないらしい。

帰ってから調べてみたら、G-CSF製剤は眠っている造血細胞を起こして無理矢理白血球を作らせる。
薬で白血球を増やし、増えたら抗がん剤を打つ、というサイクルに入ってしまうと、造血細胞が起きた所を抗がん剤に攻撃され、どんどん細胞のストックがなくなってしまうため、最終的に骨髄抑制が酷くなってしまうようだ。

折しも2014年は晩秋から2種類ものインフルエンザが猛威をふるっていた。
「風邪引かないでくださいね」と何度も念を押されたが、引きたくて引く風邪なんて運動会の前日ぐらいだ。
主治医は続けた。
「次回から抗がん剤の量を80%に減らしましょう」
「手術で全部取り切ってるからあまり心配しないで」

全部取り切って心配ないならそもそも抗がん剤はいらない筈だ。
必要あるからこんな思いをして打っているわけで、やはり投薬量減量は重たいニュースだった。

「やっぱり減量すると効果も2割減なんですか?」と聞いてみたが、そんなことはないと言われた。
全然そんなことないんなら、最初から2割減の量で打つよなあ、と思ったが、言っても先生を困らせるだけだろうから、黙ってため息をついた。

先生も頑張っている。私の身体も頑張っている。抗がん剤は、ちょっと頑張りすぎている。
誰も悪くない。

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化学療法(抗がん剤治療)

ddTC3-1延期週: 副作用と回復と

抗がん剤投与が延期され、最後の投与から最大2週間あいたことになる。
おかげで身体は随分楽になった。食欲もすっかり回復し、下げっぱなしだった体重も戻り始めた。

しかし、抗がん剤の影響から解放されたわけではない。
抗がん剤開始から約1ヶ月半経過した11月末頃~、遂に足のつま先に弱い痺れが始まった。
まだ全然気にならない、歩行にも支障のない、ごく弱い状態から。

一方で、日々着実な回復も実感している。
開腹手術後から、トイレで排尿終盤に下腹部鈍痛があったのだが、それがいつの間にか消失していた。
術中周辺神経を刺激したか何かが原因で、その影響がようやく消え去ったのだろう。

また、依然腹部違和感はあるものの、8月初旬以来久しぶりに自分で足の爪を切ることが出来た。
ぱんぱんに張った腹が邪魔でつま先に届かなかった手術前、痛みで思うようにかがめなかった開腹手術直後を経て、実に4ヶ月ぶり!のことだ。

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当たり前のように何気無く生きていけることが、実は体がすごく頑張った末のことなのだと思い知らされる。
長く好きになれずにいた自分自身や自分の体に感謝する気持ちが湧いてきた。今まで感じたことのない、新しい感情だった。
こうして少しずつ、かけがえのない、取るに足らない日常を取り戻していこう。

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