カテゴリ: 入院(手術)生活

入院(手術)生活

術後6日目: 久しぶりのコーヒー

昨夜はブロチゾラム(レンドルミン)という眠剤をもらって飲んだら、朝起こされるまでぐっすり寝られた。おとなしくしばらくは利用した方が良さそうだ。

まだ咳が出る。回数はだいぶ減った。
痛みもある。頭がはっきりして来た分むしろ強く痛みを感じるようになったかも知れない。
昨日ほどは疲労感もない。やっぱり眠れたのが大きいか。

午前中の回診で動かずに食っちゃ寝しているのに体重が減って行くことについて聞いて見た。
「減ってるのは多分水分」とのこと。
術後水分や点滴が体に溜まっているが、3日目あたりからそれが抜け始めるのだという。確かに点滴してた時は10回以上トイレに行ってたが指などがむくんでいた。

病院食は量は多いけど高カロリーじゃないし、やつれているわけでもないので心配ない、多分退院した途端体重戻りますよ、と笑われた。マジか。
心配ないならせっかくだからあと2〜3kg減らしておきたいもんだ。

仰向けで寝ると痛いと言うと、脚を伸ばすと皮と一緒に傷が引っ張られるからしょうがない、横向きに寝てください、とあっさり。

午後の検温のついでに、退院後の生活についての注意事項のパンフと共に説明があった。重い物は持たないようにとか、当たり障りのないことが書かれていた。

面会時間きっかりに今日もニコちゃんこと夫が来てくれた。今日はちゃんと起きてこざっぱりとした状態で迎えられた。
今日は小さな魔法瓶にコーヒーを淹れて来てくれた。コーヒーなんて入院前以来1週間ぶりだ。普段使っていた真空断熱タンブラーまで持参で。
それにプリンの差し入れ。

pudding

いつものタンブラーが、いつの間にか病院での生活に馴染み始めてしまった私を、ぐっと日常に連れ戻してくれたような気がした。

そろそろ外の世界に戻る心の準備だけでもしておかないと、きっと振り落とされてしまう。
帰りは一緒に階段を降り、病院の出口まで送って行った。初めての遠出だ。

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入院(手術)生活

術後5日目: 父の見舞い

昨夜は比較的楽だった。数時間とはいえきちんと眠れた。咳も3回程度。
それにしても体に痛みがあるだけでこうも眠れないものか。
元々は3分あればいつでもどこでもいつまでも眠れる性質だっただけに、今の自分をなかなか受け入れられない。

病室 個室室内

父が見舞いに来てくれた。肉親とはいえ、これまではとても人に会える状態ではなかった。昨日辺りからようやく人心地ついて、お見舞いを受け入れる気になったのだ。

久しぶりに会う父は言葉少なで、何故こんなことに、と何度も呟いていた。
これは見舞いだ、何かの足しに、と封筒を置いて行った。不器用な父らしい気遣いだった。

父の年齢と病み上がりであることを考え、何時間かかるかわからない手術の立会いを断った。見舞いも酷い状態を見せまいとこの日まで待ってもらったが、それが良かったのかどうかは分からない。状況も分からずただ待つだけの身も、それはそれで辛いものだったろう。

見舞いは短時間だったが、少し痛みと疲れが出て来たため、横になっているうちに寝てしまった。
気がついたらマメな男ニコちゃんこと夫が冷蔵庫に飲み物を補充してくれている所だった。

ニコちゃんは自営業なのをいいことに毎日来てくれる。彼に対しては罪悪感よりもありがたさや嬉しさが勝ってしまうのは、もう実の親よりも甘えられるより身近な存在になっているからなのだろう。

今日は手作りの甘夏ゼリーをもってきてくれた。喉越しが良く、つるりと完食したらますます元気が出てきた。

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入院(手術)生活

術後4日目: 傷跡

ここまでいい調子で回復してきたが、依然しつこい咳に悩まされていた。咳と痛みと身の置き所のない辛さで昨夜は一睡も出来なかった。
咳が回復を妨げている。

食事は1/3量くらいしか食べられず。
また腸が動き、のたうち回った末ようやく初お通じ。痛いのは腸が動くからで、お通じそのものは腹筋を使うことなくするりだった。日に3回処方されている下剤のおかげか。
終日37℃ちょいの微熱。

回診では傷の具合をチェックし、傷から液体が染み出していないか目視。傷そのものは48時間程度でくっついてしまうらしい。人体って凄い。

続いて腹に聴診器を当て、腸音を聞く。腸は活動を再開したようで、よく動いている、心配ないと言われた。
腸が動くと痛いんですがと言ってみたが、動いてる方がいいんですよと返された。

卵巣癌 開腹手術 傷口

傷口はテープでとめられているだけで、縫った後もホチキスで留めた跡もない。
最近は小さなホチキス穴でも感染症リスクに繋がるため、あまりやらないんだそうだ。
埋没法という方法で、皮下を溶ける糸で縫合してあるという。抜糸も不要で、傷痕も目立ちにくいとか。

最初はテープの上を大きなガーゼで覆い、腹帯で包んでいた。滲出液が出ないのでガーゼももういいでしょうと取り除けてくれた。腹帯はパジャマのゴムが傷口に直接当たるのを防いでくれている。
テープは自然に剥がれ落ちるまでこのままずっと貼っておくらしい。

着衣のまま院内の体重計に乗ってみたら、入院前より2kg以上減っていた。手術と絶食で痩せても嬉しくなんかない。腫瘍は何kgあったんだろう。

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