月別アーカイブ: 2015年3月

入院(手術)生活

術前説明と衝撃のMRI

2014年9月8日入院初日(手術前日)続き。
15:00 入院のバタバタが一段落したところで、執刀医から術前説明に呼ばれた。ニコちゃんこと夫が同伴。

初めて横からのアングルでMRI画像を見せてもらった。それはショッキングな画像だった。
腹の大部分を真っ白な風船状に膨れ上がった卵巣が占め、他の内臓を圧迫している。中身は漿液だと言う。下の方にモヤモヤと色水が混ざったような煙様の影が見て取れた。これが結節像といい、悪性を疑われている部分だ。
卵巣癌MRI
このようにブツがでかいため、縦割りで15cm、臍下指二本分位下から恥骨のあたりまで開腹すると言われた。
開腹手術で内臓が癒着したり腸閉塞(イレウス)になると聞いたんですが、と不安を伝えると、確かに術後1〜数カ月は要注意だが、確率で数%くらい。癒着防止シートももちろん使うそうだ。

子宮は全部取るが単純式で、広汎式で時に起こるような、周りの神経を損傷して排尿困難などが残る確率は低いという。周りの靭帯などまでは切らないからだそうだ。
他に聞くこともなくなり、ニコちゃんはここで帰って行った。

引き続き診察室にて内診。術前の最終確認らしく、執刀医2人が超音波で現在の位置と大きさを確認した。
ヘソの横の辺りまで来ている、うん来てますね、と話し声が聞こえた後、片手を膣から入れもう片手で上から腹を抑えて、内外で患部を挟み込むという牛相手かよ!と思う程荒っぽい方法で最終的な位置関係を把握。
そして「臍上まで切り上げることになりそうかも」と言われた。ヘソをグルリと避けて「?」の形に切るらしい。もうどうにでもなれだ。
膨張した卵巣が腸を避けスペースを求めて上の方までせり上がってきているという。よく破裂しなかったものだ。

病室に戻ると夕食。明日から2日程絶食になるらしいと聞き、目一杯詰め込んだ。
シャワーを浴び20:00過ぎにニコちゃんに連絡を取ると、バタバタしていてまだ夕飯も食べていないという。私はこの後ひっくり返って寝るだけだが、彼は明日朝イチで病院に駆けつけ、何時に終わるかもわからない手術の立会いだ。本当に病気は患者本人より周りが大変だと思う。患者本人は病気とだけ闘うが、周りは本人が闘病に専念できるよう細々と環境を整えていかなければならない。

21:00 下剤を飲んで術前の水分摂取終了。これより絶飲絶食となる。
だらだら起きていたが23:00諦めて就寝。夜中何度か目が覚めたが、修学旅行みたいに看護婦さんが見回りに来るので、つい反射的に寝たふりをしてしまう。

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入院(手術)生活

入院(手術前日)

2014年9月8日初めての入院。能天気にもちょっとだけワクワクしている自分がいる。

10:00 手続きを済ませ病室に案内される。太っ腹な男ニコちゃんこと夫が過保護にも個室をとってくれた。1日¥14,000ちょい。聞いただけで具合が悪くなりそうだが、好きな時に入浴でき、洗面を独占できるのはありがたい。消灯になっても起きていられるし。

ナースさんが来て、身長体重血圧を測り、病棟のルールなどを聞きながらフロアをざっと見学。刑務所ってこんな感じかなとちょっと半笑いになりながらついていく。
緊急連絡先や簡単な問診をし、常備薬を預け、生活のしやすさに関する質問票に心配事や痛みの度合いなどを書き込んだ。

12:00 昼食。記念すべき病院食第一号だが、腹の張りが酷くておすましとマリネくらいしか喉を通らず。恐れていた程マズくはなくてちょっと安心した。
お膳を下げるや否や下剤が処方されてきたのでおとなしく飲む。食事も排泄も管理されて、家畜みたいだなとまたしても半笑い。

麻酔科の先生がベッドサイドに来て、麻酔の手順とリスクの説明。悪い歯やぐらついてる歯がないか確認された。全身麻酔の間は自発呼吸が出来ないので、器官に人工呼吸器を挿入する。その際弱っている歯が折れたり、喉を傷つけたりすることがあるそうだ。
入れ替わりに薬剤部の人が来て、飲んでいる薬やアレルギーの確認。

入院てこんなに忙しいのか。
パジャマに着替えるタイミングを迷う。まだ昼間だし。服を着たまま横になるのも妙なので、ベッドサイドに置かれたソファに座っていた。
ソファに座っている時誰かが来ると、相手を立たせたままだと偉そうな上司みたいだし、座ってもらうと狭いラブソファで見つめ合うことになるし、どうにも落ち着かない。
仕方なくパジャマに着替え、ベッドの上で正座して過ごすというわけの分からない状態に。

静かになったと思ったらナースさんが戻ってきて、剃毛とお臍の掃除をするという。こっこれが噂の… とにわかに緊張。浴室でするのかと思ったら、ベッドに横になったままだった。
つるつるに剃り上げるわけではなく、電動シェーバーでごく短く刈り上げるのみ。
お臍の掃除は綿棒とオイル?で。何でお臍の掃除するのか聞いて見たが、ナースさんも詳しいことは分からないという。ただ、昔は腹腔鏡手術の際おへその穴から術具を入れたので、そのための消毒の名残ではないかとのこと。
特に不快な事や極端に恥ずかしい思いをすることもなく、さらりと終了した。

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まとめ 入院まで

入院までのまとめ

病気が分かって余り動き回れなくなってやったことと言えば、ネットで情報収集しまくり。しかし、ググれどもググれども、卵巣癌の情報は限られていた。自分に何が起こりこれからどうなっていくのか、早く早く沢山の情報が知りたかった。
そんなわけでここまで順番に読んでくださっている方々には内容が重複して申し訳ないのですが、急いでいる人のために、時々適当に区切ってまとめ記事にしていきます。

・受診までに感じた体調の変化
体重の増加
頻尿
腹の張り感 → 次第にしこり感に。仰向けで脚を伸ばせなくなる。
突然の膝痛 腰痛を感じる人も。何も感じない人も。
次第に易疲労感・不眠・食事量低下

・受診は婦人科。検査項目は内診・超音波(エコー)検査・MRI・子宮がん細胞診、血液検査(腫瘍マーカー含む)・採尿・胸部及び腹部X線撮影。費用は併せて大体¥22,000くらいだった(3割負担)。
一連の検査で卵巣腫瘤の大きさとおおよその悪性度、転移の有無を調べる。

手術は全身麻酔で行い、術中迅速病理診断で良性か悪性かを判断する。
良性なら病巣の卵巣と卵管を取るだけなので、1時間半程で済む。
境界悪性なら両側の卵巣と卵管、子宮、大網を取る。
悪性なら両側の卵巣卵管、子宮、大網に骨盤リンパ節まで取るのが標準治療で、4時間以上かかる。膨れ上がった卵巣と他の臓器が癒着してしまっていると、剥がすために更に時間を要する。終了後化学療法をするケースも。

卵巣癌については、悪性か良性か、ステージや組織型など大事なことは手術をやってみないと分からないので、事前にあまり調べ過ぎない方がいい。自分がどれに当たるかも分からないまま、ネガティブな情報に多く触れてしまうと辛くなるばかりだ。

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